代替卵の国内・国外商品を紹介!原材料やメリット・デメリットは?

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卵は多くの料理に使われる食材ですが、その製造過程における環境への影響や、アレルギーなど健康への影響も懸念されています。

一方、今年に入って鳥インフルエンザ感染拡大や飼料価格の高騰で最高値を更新し続け、長年「価格の優等生」であった卵も、今や安定供給もままならない状況です。

そんな中、環境に優しく健康にも配慮した「代替卵」が注目を集めています。

しかし、まだまだ普及率が低いので知らない方も多いのではないでしょうか?

この記事では、代替卵の種類や原材料、使用するメリット・デメリット、購入方法や使い方についてなどご紹介していきますので、是非参考にしてみてください。

 

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代替卵とは?

代替卵とは、文字通り「卵の代用品」として開発された食品で、主に豆類などの植物性原材料を使って卵の風味や食感を再現したものを示します。

まだ卵が高価だった時代、安価な代用食品として誕生したものでしたが、安く入手できるようになってからも、アレルギーや健康上の問題に対処するために世界各国で商品化されてきました。

 

代替卵の市場規模

代替卵の市場規模は、2020年現在で10億3,743万1,000米ドルあったものが、2027年までに15億9,848万7,000米ドルに達し、CAGR(年平均成長率)は6.37%と予測されています。( Knowledge Sourcing Intelligenceによる調べ)

前述のように卵の高騰が続いている状況の中、代替卵の需要はさらに拡大し市場規模としても急成長する分野として期待が高まっています。

 

代替卵の種類や原材料

代替卵は、大豆やひよこ豆、アクアファバ(豆の煮汁)、バイオテクノロジーで作られたタンパク質成分等が主な原材料として使用されています。

加工品の原材料に使うことを目的とした液卵状のものや、オムレツやスクランブルエッグなど卵を使った調理品に似せた代替卵もあります。

では、実際に商品として販売されている代替卵にどのようなものがあるか?それぞれの特徴や原材料などをみていきましょう。

HOBOTAMA(ほぼたま)

HOBOTAMAは、植物性原料を使用した加熱用液卵風卵でキューピー㈱から販売されています。

パンケーキやオムレツなど卵の代わりに使用することができ、独自の技術により卵の風味と食感が再現されています。

原材料:植物油脂、植物性たん白加水分解物加工品、脱脂アーモンドパウダー(アメリカ製造)、食塩、ブドウ糖果糖液糖/ゲル化剤(増粘多糖類、メチルセルロース)、カロチノイド色素、乳化剤、香辛料抽出物(一部にアーモンド・大豆を含む)

Ever Egg(エバーエッグ)

人参や白いんげん豆等の野菜を主原料とし、湯せんや電子レンジで温めても固まらない「ふわとろ食感」を再現。

プラントベースフード(植物由来食品)のブランド「2foods」を手掛けるTWO(東京都渋谷区)とカゴメ共同開発した代替卵です。

原材料:食用植物油脂(国内製造)、エンドウたんぱく/トレハロース、白いんげん豆ピューレー、にんじん濃縮汁、乳酸カルシウム、ゲル化剤(アルギン酸ナトリウム)、グラニュー糖、食塩、増粘剤(加工デンプン、増粘多糖類)、酸化防止剤(ビタミンE)、香料

JUST Egg(ジャストエッグ)

緑豆から抽出したプロテインやターメリックを主原料とする植物由来の液卵で、スクランブルエッグやフレンチトースト、オムレツなどを作ることができます。

米サンフランシスコのスタートアップ企業「Eat JUST(イート ジャスト)」が販売する主力商品。

原材料:水、緑豆プロテインアイソレート、エクスペラープレスキャノーラ油、コーンスターチ、ベーキングパウダー(酸性ピロリン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、コーンスターチ、リン酸一カルシウム)2%未満を含む、脱水ニンニク、脱水タマネギ、天然ニンジン抽出物(色)、天然ウコン抽出物(色)、食塩、トランスグルタミナーゼ

VeganEgg(ヴィーガンエッグ)

有機大豆が使用された豆乳パウダーやブラックソルト等を主成分とし、水と混ぜてスクランブルエッグやとろみのついたソース、パンケーキの生地等が作れます。

1970年に創業した南カルフォルニアに拠点がある食品メーカー「Follow Your Heart」が開発。

原材料:有機豆乳粉末、ブラックソルト、ジェランガム、乳酸カルシウム、カラギーナン、天然香料、変性セルロース、セルロース、ニュートリショナルイースト、βカロテン

EGG Basics(エッグ ベーシックス)

2018年にイスラエルに誕生したスタートアップ企業のZero Eggにより開発された代替卵。

大豆タンパク質、えんどう豆の粉末をベースとし、スクランブルエッグ、オムレツ、クッキーやソースなどを作ることができます。

原材料:大豆プロテインアイソレート、エンドウ豆粉、セルロースファイバー、ドライイースト、ジェランガム、変性セルロース、ひよこ豆プロテインパウダー、塩、砂糖、寒天、ポテトプロテインパウダー、ターメリックエキス

Oggs Aquafaba(オッグス アクアファバ)

アクアファバ(ひよこ豆の煮汁)を使用した代替卵で、泡だて器によりメレンゲと同じように泡立てケーキなどベーキング必要な料理に使います。

2018年に設立したイギリスのスタートアップ企業 OGGSによって開発されました。

原材料:ひよこ豆

 

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代替卵のメリット・デメリット

世界各国で開発されている代替卵を紹介してきましたが、国内でも注目が集まりベンチャー企業が続々と代替卵の開発に乗り出している状況です。

では、代替卵にはどのようなメリット、デメリットがあるのか見てまいりましょう。

代替卵のメリット

かつては贅沢な食品だった卵の代用として開発された代替卵ですが、卵が安価に出回るようになった現在では以下のメリットが考えられます。

  • 生産過程において温室効果ガスの排出量や水などの天然資源の使用を抑え、環境負荷の軽減が見込まれます。
  • 卵アレルギーの人にとって安全な食品であり、コレステロールがゼロまたは低く、飽和脂肪酸も少ないため、心血管疾患のリスクを減らすことも可能。

代替卵のデメリット

一方、デメリットとしては…

  • 卵が最高値を更新しているとはいえ、まだまだ従来の卵に比べて価格が高い傾向があります。
  • 卵に近い風味や食感を目指しているものの、まだ完全に再現できているとはいえません。
  • 例えばビタミンB12やコレステロールなど、完全食品と言われる卵に比べて栄養素が落ちます。

 

まとめ

代替卵は環境負荷の軽減、動物愛護への配慮、アレルギー対策、健康面でのメリットがある一方で、価格の高さ、風味や食感の違い、栄養成分の違い、普及率の低さといったデメリットも抱えています。

しかし、卵価格の高騰が続いている現在、国内のベンチャー企業も続々と代替卵の開発に名乗りをあげています。技術の進歩や市場の拡大に伴い、今後これらのデメリットが緩和されるが期待されますね。