英語力を証明する主要な試験として、英検とTOEICが広く認知されています。これらの試験は、さまざまな状況で英語の能力を示すために重要で、特に英語が得意な人には欠かせません。
英検、正式には実用英語技能検定と呼ばれるこの試験には、異なる7つのレベルが存在し、各レベルで試験の内容が異なります。準一級は大学中級レベルの英語力を要求され、難易度が高く合格率も低いです。
一方、TOEICは国際的に広く認められた試験で、全受験者が同じ内容で試験を受け、そのスコアで英語力が評価されます。
では、英検準一級を持っているとTOEICではどれぐらいのスコアが期待できるのでしょうか？今回は、この2つの試験を比較してみましょう。
英検準一級保持者のTOEICでの予想スコア
英検準一級保持者はTOEICで最大990点中およそ740～820点を狙えると考えられます。しかし、これは一般的な目安であり、TOEICの試験形式に慣れ、十分な準備をして挑むことが前提です。
実際に英検準一級を持つ受験者のTOEICの平均スコアは732点で、多くが700点台に集中しています。約30％の受験者が800点以上を獲得しています。
就職やキャリアアップに有利とされるTOEICスコア範囲は600点から840点以上です。英検準一級を持つ人なら、これらのスコアを目指すことが十分に可能と言えるでしょう。
特に、英語を必要とする職種に就く学生や社会人にとって、TOEICでの高得点は大きな利点になります。
英検準一級と他の英語試験の比較考察
英語力を証明するには、英検準一級やTOEICの他にも、TOEFLやGTECといった評価テストがあります。
これらの試験も受験者に人気があり、英検準一級を持つ受験者がどれだけの成績を期待できるか、それぞれの試験の特徴を深掘りしてみましょう。
TOEFLに関して
英検準一級を保有していれば、TOEFLでは約80～90点を目指せます。
TOEFLは非英語圏の人々の英語能力を測定するための試験で、特にアメリカやカナダなど英語圏の大学や大学院への留学志望者にとって重要な基準とされています。
年間約50回の頻度で実施され、学術的な英語の4技能（リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング）が試験対象となります。
GTECに関して
英検準一級を保有する受験者は、GTECで約1190～1349点（満点は1400点）を狙うことができます。GTECは比較的新しい資格試験で、ベネッセコーポレーションが主催しています。
特に多くの大学が推薦入試やAO入試でGTECを活用しており、主に中高生が受験対象です。この試験では、4つの英語技能が測定され、日本の英語教育に合わせた問題内容が特徴となっています。
英検準一級、TOEIC、TOEFL、GTECという各試験は、それぞれに特色があり、英語能力の異なる側面を測定します。
英検準一級を保持している方は、これらの試験でどの程度の成績が期待できるかを理解し、目標に応じた適切な対策を行うことが重要です。
英語力のさらなる向上に向けて、これらの試験を有効に活用していくことをお勧めします。
英検の各級とTOEICスコアの相関について
英検の各級とTOEICスコアとのおおよその相関関係は次のようになっています。
- 英検1級（高度レベル）: TOEICで約870～970点
- 英検2級（上級初級レベル）: TOEICで約550～600点
- 英検準2級（中級後半レベル）: TOEICで約450～490点
- 英検3級（中級前半レベル）: TOEICで約291～299点
- 英検4級（初級レベル）: TOEICで約260～269点
- 英検5級（入門レベル）: TOEICで約100～259点
これらはあくまで目安であり、試験の形式の違いから、実際のスコアは受験者の準備や対策によって異なることがあります。
TOEICを受験する際は、自分が持っている英検の級に相当するTOEICスコアを目標にすることが推奨されます。
英検準一級とTOEICの使用場面の違い
英検準一級とTOEICは、取得後の活用方法が異なります。英検準一級は主に教育分野での利用が多く、中学・高校・大学の入試や留学時に有利に働くことが期待されます。
また、大学では英検準一級が英語科目の単位として認められるケースもあります。
対してTOEICはビジネスシーンでの活用が多く、多くの企業が就職や昇進の際にTOEICスコアを重視しています。
大学生や社会人が主な受験者で、ビジネス英語能力を示す指標として、キャリアアップにおいてTOEICスコアの取得が推奨されます。
英検準一級とTOEICの試験内容と学習法の違い
英検準一級とTOEICは、それぞれテーマや試験内容が異なるのが特徴です。
英検準一級は内容の深さと難易度が際立ち、対してTOEICでは問題の量が多く、迅速な読解能力が必要です。効果的な勉強方法を取り入れることが大切です。
英検準一級では、社会生活、芸術、文化、教育、科学、医療など幅広いアカデミックなテーマが出題され、高度な知識と理解が要求されます。単語の意味の深さや専門性が高く、深い理解が求められます。
一方で、TOEICは日常の会話やビジネスシーンでの英語の使用能力を測る試験です。英検準一級ほど専門的ではありませんが、多数の問題を短時間で処理する能力が重視されます。
両試験の主な内容は以下の通りです。
【英検準一級】
- 4技能（リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング）の評価。
- 筆記試験では3技能を評価し、TOEICにはない英作文のライティング試験が含まれる。
- スピーキング試験も実施される。
- リスニングは約30分で30問、リーディングは90分で41問。
TOEIC
- 2技能（リスニング、リーディング）の評価。
- ライティング試験やスピーキング試験は含まれず、リスニングとリーディングのみが評価対象。
- リスニングは約45分で100問、リーディングは75分で100問。
これらの問題数の違いは、各試験の特性を示しています。また、TOEICで800点以上を目指す場合には約8500語の単語知識が必要であり、英検準一級では約7500～9000語が求められることが多いです。
効果的な学習方法としては、英検準一級では幅広い知識と深い理解を求める学術的なテーマに焦点を当て、TOEICでは速読力と情報処理能力を強化することが重要です。
両試験ともに、試験の特性を理解し、適切な対策を行うことが成功の鍵となります。
英検準一級とTOEICの特徴及びスコア換算への理解
英検準一級は、幅広い学術的なテーマと専門的な語彙の使用が特徴です。これにより、受験者は深い知識と十分な対策が求められると言えます。
本記事では、英検準一級を持つ受験者がTOEICでどの程度のスコアを望めるかを検討します。
英検準一級を取得している受験者は、TOEICでおよそ740～820点を目指せる可能性があります。さらに、TOEFLとGTECのスコアは次のとおりです。
- TOEFL：約80～90点
- GTEC：1400点満点中1190～1349点
英検準一級とTOEICの主な特徴は以下の通りです。
英検準一級の特徴
- 4技能（3つの筆記試験と面接を含むスピーキング）が評価される。
- 学術的で多岐にわたるテーマと、高度な語彙知識が求められる。
- 特に進学や留学時に有利となる利点がある。
TOEICの特徴
- 2技能（リスニングとリーディングのみの筆記試験）が評価される。
- 日常会話やビジネスシーンを基にした内容で、多くの問題を解決する能力が必要。
- 就職やキャリアアップに役立つ。
これらの試験間の違いははっきりしています。英検準一級を持つことが、TOEICで高得点を取ることを保証するわけではありません。TOEICの特性を理解し、適切な準備を行うことが成功の鍵です。