新型コロナウイルス感染拡大防止に伴って日常に欠かせないツールとなったマスクの着用について、令和5年3月13日以降は個人の判断に委ねるものとする新ルールが政府から打ち出されました。
今後、私たちは感染リスクや症状の有無、周囲の人々の状況などを考慮して自主的な感染対策に取り組み、マスク着用の要否は自分で選択していかなければなりません。
一方で、「紙パンツ」と呼ばれるほどマスク外すことに抵抗を感じる人も多く、未だ「脱マスク」が日常に浸透していないのが現状です。
このような状況の中で感染対策を自己責任で行いながら、脱マスクへ向けてどのように個人で判断し対応していけばよいのか? 今回の記事を参考にしていただけたら幸いです。
脱マスクの新ルールとは?
脱マスクの新ルールは、政府が新型コロナウイルス感染症の位置づけを「5類」に移行することに伴い見直されたものです。
これまでは、マスク着用について
- 屋外では原則不要
- 屋内では原則着用
- 距離が確保でき、会話をほとんど行わない場合は外してもOK
としていましたが、令和5年3月13日以降のマスク着用は、
「個人の主体的な選択を尊重し、着用は個人の判断が基本」となります。
但し、以下のケースでは、感染拡大防止のため、自身を感染から守るためにマスク着用が推奨されています。
- 受診時や医療機関・高齢者施設などを訪問する時
- 通勤ラッシュ時など混雑した電車・バスに乗車する時
- 重症化リスクの高い方が感染拡大時に混雑した場所に行く時
(出典元:厚生労働省公式HP https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kansentaisaku_00001.html)
脱マスクの新ルールに対する国民や企業、海外からの観光客などの反応はどうなっているのでしょうか?
脱マスクに対する国民の反応について
Job総研による「2022年 マスク着用基準の実態調査」によると、脱マスクの賛否について
- 賛成派の回答:72.7%(「賛成」33.9%、「どちらかといえば賛成」38.8%)
- 反対派の回答:27.3%(「反対」8.6%、「どちらといえば反対」18.7%)
賛成派の代表的な理由
- 物価高騰でマスクの費用もばかにならない
- 訪日外国人が増えており諸外国と足並みを揃えるべき
- 周りの目が気にしないですむので、国の号令で一斉に外すのが理想
反対派の代表的な理由
- コロナ関係なく外すことに違和感がある
- 春夏は花粉症、秋冬はインフルエンザがあるので着けたままでよい
- コロナがまだ収束してないから
以上のようなアンケート結果になっています。
(出典元:PR TIMES https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000124.000013597.html)
脱マスクに対する企業の対応について
企業側でも積極的に脱マスクを進めて消費回復に弾みをつけたいところですが、外食産業や小売業など接客する機会の多い業態では、従業員の脱マスクには慎重な企業も多いようです。
脱マスクへの対応 | 主な企業 |
お客様の判断に委ねる 従業員にはマスク着用を推奨 | セブンイレブン・ジャパン ファミリーマート |
お客様の判断に委ねる 従業員はマスク着用を継続 | 高島屋 大丸松坂屋百貨店 USJ 日本マクドナルド |
劇場内ではマスク着用を推奨 | 松竹 |
乗客や授業員のマスク着用を個人の判断に委ねる | ピーチ・アビエーション |
社内では2m以内の会話は着用を求めるが、同意があれば外すことも可能 | 富士通 |
2月から社内の全て場所でマスク着用は任意 | GMOインターネットグループ |
(出典元:セブンイレブンやマック、客のマスク着用は「個人判断に」 : 読売新聞 (yomiuri.co.jp))
外国人観光客への影響と今後
2022年10月11日より、1日あたり5万人としていた入国者数の上限が撤廃され、個人の外国人観光客の入国も解禁。
欧米諸国、アジアなど主要国68国や地位から観光などで訪れる短期滞在者のビザを免除する措置の再開や、地方の空港や港も国際線の受け入れ再開が進み、ほぼコロナ禍前の水準に戻りました。
さらに、2023年4月29日からは入国時に必要だったワクチン接種証明などの提示も不要となり、ますます訪日客がスムーズに入国できるようになっています。
外国人観光客が増えることは経済活性化にも好ましいことですが、同時に感染リスクも高まりマスク着用に関するトラブルや摩擦が生じるリスクについても考えなければなりません。
今後の感染リスクに関しては、厚生労働省の専門家会合が開かれてある分析結果を示しました。
その内容は、新型コロナウイルスの新規感染者数は全国的に緩やかに増加傾向となり、GW明けには感染が拡大するというもの。一旦減少するものの、再び夏に向けて「第8派」を超える規模の感染拡大が発生する可能性についても示唆しています。
新型コロナの感染症法上の位置づけが「5類」に移行されマスク着用が個人の判断に委ねられることとなっても、私たちは流行状況に関心を持ち続けること。
そして、自主的に感染防止のための行動をとっていき、特に重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方に感染が及ばないようにする配慮が重要です。
まとめ
令和5年3月13日以降、政府はマスク着用は個人の判断が基本となる旨の方針を示しました。今後は個人や事業者が自主的な感染対策に取り組むことになり、感染状況やワクチン接種率に応じて柔軟に対応することが求められます。
- 重症化リスクの高い高齢者や基礎疾患のある方と接する時はマスク着用を心がける
- 高齢者など重症化リスクの高い方のワクチン接種や医療受診などを支援する
- マスク着用について他人から不快な言動を受けたり、他人に不快な言動をしたりしないこと
マスク着用の判断は自己責任ではなく、社会的責任でもあります。
自分の感染リスクや症状の有無、周囲の人々の状況や希望などを考慮して、マスク着用の是非を判断し自分と周囲の人々の健康を守っていきましょう。